喫茶店に行ったら寿司を出されて困惑する話
ランダムワード生成アプリでお題を作り、
それに関する創作話を綴ります。
タイトル詐欺で申し訳ないですが完全フィクションです。
今回の話のお題となるランダムワード:
【喫茶寿司】
そろそろ僕も、高校生が終了して社会の渦に巻き込まれていく時が近づいてきました。
そうしてふと思いました。
大人になる準備をしよう!
田舎に住んでいるので、都会の高校生に比べると遥かに常識観やモラルが未熟である自覚があります。
ちなみに田舎の程度としては、
「自宅から最寄りコンビニまで1km」
「最寄り駅は2両の電車が1時間に2本」
流石にのんのんびより以上ではありますね。
シムシティを1時間半プレイした時くらいじゃないですかね。ビレッジ〜シティ。
対して都市の高校生。具体的に示すと、「君の名は。」では高校生の瀧くんやその友達がカフェ巡りをしているシーンがありました。
いや
どこにカフェがあるねん!!
マックか?マックは
セーフなのか?
そりゃ県庁所在地とか都市に行けば当然カフェはあるでしょう。但し着いた時には今度は金が無いんですよね。
は?
しかし!そんな都市部に向かって「mother fucker!!(特に意味は無い)」と叫び続ける日常はもう終わりです。
僕の家からすぐそこに喫茶店が出来たのです!
こんな田舎に設立するとは、経営者は住民の気持ちを良く理解しているなと感心すると同時に、経営学を学んできて欲しいと思います。
この町の人口分かってなさそう。
そうして経営者に書き置きで「馬鹿め」と書いてやるべくして喫茶店に早速向かう事にしました。
善は急げと自宅から自転車に跨り飛び出す。
途中猫の轢死体を見つけて食欲が失せてしまって帰ろうかとも思いましたが、話が長くなるなとメタ思考が脳裏をよぎったのでそのまま店へ。
到着。
喫茶店の赤字と経営者の頭を救うヒーローの様に颯爽と自転車で現れ、丁寧に駐車。
ただ、経営者にどんな大口叩こうが僕は喫茶店初見さんである。事前に「喫茶店 注文の仕方」で調べていて「先注文型」と「席注文型」がある事を知っていたにも関わらず僕は入店だけでかなり不安だった。
今回はどっちなんだ...
店前でウロウロするのも躊躇われたので、
「ここは2分の1だ、勘でいこう」とスタバと同じの先注文型だと決めつけ
いざ、入店!
チリンチリン(入店音)
店員『いらっしゃいませー』
僕「注文いいですかー!?」
店員「こちらの席へどうぞ^^」
僕「あっはい...」
無事2択で間違えました。
店員さんに「また後で注文をお聞きしに行きます」と言われたので、案内された席に着いて、注文をする物を決め、ソワソワしつつ店員さんが再び来るのを待ちました。
すると先程の店員さんがやって来ました。
手に料理を持って。
僕以外に客はいないのになんだろう。旅館の食前酒みたいなのがある訳でも無いだろうに。
すると店員さんが
「お通しになります」とその料理を僕の目の前に置きました。
「食前酒みたいなの」がほんとにあっちゃったよ
(都会の高級日本料理店かよ。お金大丈夫かな)なんて思いつつ料理に目を落としてみると、そこには寿司があった。しかも卵の握りだった。
困惑の模範解答のような表情で店員さんを見上げてみると、伝票を持って「早く注文しろよ」と言わんばかりの呆れ顔で僕を見下ろしていました。
.......えっ?
僕の反応が普通じゃないの?
店員さんもこの反応は予想出来たでしょ?
もしかしてお通し自体が貴方の案なの?
その奇抜な発想力があれパリコレ出れるよ?
それとも客が全員2秒で適応してるの?
超人か軍隊出身の人間しか来てないの?
てか寿司なら魚にしろよ〜〜〜!????
全てが声に出してツッコミたくなる程のボケ。あまりに重すぎる。右ストレートしか出来ねぇのか。
そんな思いとは裏腹に僕の口から出た言葉は
「ホットカフェオレをお願いします...」でした。
店員さんが去ってからも悶々と黙考を続けた。
どうしてこんなにコントばりにボケが飛んでくるんだ...
てかお通しで「卵の握り」ってほんとに喫茶店か?あまりにカフェに行きた過ぎて錯覚でも見てしまったのだろうか。
そうなると「カフェ」でなく「喫茶店」で錯視する自分自身の頭を疑う事になるので違うと信じたい。
ちなみにカフェと喫茶店の違いについて書かれたサイトがこちら(唐突なブログ要素)
https://chigai-allguide.com/%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%81%A8%E5%96%AB%E8%8C%B6%E5%BA%97/
考えても仕方ないので、先日見たこの喫茶店の公式HPを改めて確認してみる。
しかし確かに「喫茶店」と書いてある。
「卵の握り」¥80 をお通しで出す店が喫茶店である事に信じたくないが、ここは店側の主張を認めてあげよう。卵の美味しさに免じて。
ただ、「喫茶店」であることは認めるが、
「喫茶店としての在り方」は認めない。
何かヒントを見つけられまいかと公式HPを血眼になって何度も熟読する。
...........あっ。
遂に気付いてしまった。
この店の名前である「アネモロイ」を!!!
逆から読んだら!
イロモネアだ〜〜!!!!!!
もうちょっと捻れ〜!!!!
もうこのセンスの時点で、店主はお笑いに足を踏み入れない方がいい。
竹馬で山登りするのと同じくらい無謀だよ。
しかも店名にちっちゃく副題があった。
小中学校の運動会のスローガンみたいだな。
「〜料金タダにする為に笑いを取れ〜」
おっと?
料金タダ?
これは見逃せないと思い、丁度カフェオレを持ってきた店員に声をかける。
僕「すいません。この副題の「料金タダ」ってどういう事ですか?」
.........返事がない。
僕自身かなり変な質問をした自覚がある分、余計気まずい。記事の語尾が敬体から常体に変わってしまっている事と共に後悔しそうだ。
かと言って立ち去る訳でも無さそうだ。
またこれも一種のボケか何かなのかと肩を落とす。
ん?ボケ?
あっ。
いやそんな馬鹿な...
もしかしてこの店員...
「サイレント芸」
やってねんぇ!!!!
だとすると「卵の握り」は...
「モノボケ」かぁ〜〜!
まさか既に第2ステージだったとは。
何で第1ステージにクリア判定出てるんだよ。
僕、笑ってないやんけ。
いや待てよ?
副題には「笑いを取れ」と書いてあった。
ならばこの店員はピン芸人じゃない...!
僕とのコンビなのか.....!!!
ならこのボケはツッコミ待ち!?
急にめちゃくちゃなスピードで状況整理が出来てしまった。
数学もこのくらい素早く解きたい。
そうかそうか、ツッコミ待ちなのか。
ならば話が速い。
素直にツッコミを入れてあげよう。
幸い店内には僕以外に誰もいない。
僕「接客中にサイレント芸すな〜!!」
...クソッ、静寂がつらい。
代金を置いて店から飛び出してやろうかと思った時、天井のスピーカーから声がした。
??「いや、サイレント中に声出しちゃダメでしょ。失格。」
僕「どうしろって言うねん!!!!」
声の主は恐らく店主なのだろう。
客になんて無残な期待を背負わせているんだ。
僕ももうこんな店からは早く出たい。
想定とは違った意味での「馬鹿め」という書き置きを6つ机に置いてレジへと向かった。
1つは接着剤で机にくっ付けといた。
そしてレジにて、再び喋る能力を手に入れた店員から「寿司とホットカフェオレで320円になります。」と言われ、素直に支払った。
カフェオレ240円て安くない?
なんでそこ良心的なんだよ。
客の扱いにもっと良心持てよ。
こうして僕は謎の店から立ち去った。
最後までツッコミを入れ続けなければならない店「アネモロイ」。
気になる方はどうか出店してください。
こんな店が元々存在しててたまるか。
以上!!
この物語は幸せな事に全てフィクションです。